研究内容紹介

半導体パッケージ分野

半導体パッケージ 高性能LSIパッケージの熱機械的信頼性解析をコンピュータシミュレーションをベースに行っています. このシミュレーションにより設計段階からLSIの寿命や信頼性問題を予測することが可能で,パッケージ開発におけるコストの低減に貢献しています. 研究室の信頼性解析技術がコンピュータのCPUやグラフィックスカードに用いられるハイエンドGPUの開発に用いられています.



半導体パッケージの内部構造及び材料の検討には有限要素法解析が有力となるが,極めて微細で複雑な構造を再現するためには膨大な規模のモデリングが必要になり, このような大規模FEM解析においては,計算機能力の問題から,容易ではありません.また,その信頼性解析は,微細複雑・複合構造を有するモデルに対して, 製造プロセスから完成後の挙動に至るマルチフィジックスの現象を解くことが求められ,さらに解析を困難にしています. 近年,コンピュータと並列処理技術を用いた解析ソフトウェアの発達により, ワークステーションクラスのコンピュータでも数百万節点クラスの大規模解析が比較的容易に可能になりつつあり,微細構造の詳細な解析が期待されています. 研究室では最新のコンピュータ技術を用いて,この大規模FEM解析を実施し,半導体に必要な材料の設計を行い,国内外から注目されています.

  高速配線用絶縁膜の応力解析モデル


大規模シミュレーション結果を利用した封止材料の最適材料特性の探索

パワーデバイス用高耐熱接合材料の開発と信頼性予測技術 ハイブリッドカーや電気自動車,また鉄道などのインバーターに用いるパワーモジュールでは,高耐熱,高信頼性の接合材料が求められています. 研究室独自のマイクロ破壊力学試験技術とシミュレーション技術により,金属ナノ粒子やはんだ合金など新しい材料を開発しています.
近年,Agナノ粒子やCuナノ粒子を用いた焼結接合法が注目されています.しかし,信頼性を検討する上で必要な力学特性は明らかにされていません.研究室独自のマイクロ力学試験とコンピュータシミュレーションにより,様々な力学特性を明らかにし,より良い材料を開発しています.


ナノAg粒子焼結材料の内部構造のFEMモデル
パワーモジュールのパワーサイクル解析


Agナノ粒子を用いて試作したIGBTパワーモジュール


Agナノ粒子の高温マイクロ疲労き裂進展試験

 


研究室で開発した高温マイクロインデンテーション試験機

電気の通る接着剤(導電性接着剤)の開発有害物質を使用しないはんだ合金に代わる新しい実装材料として電気の通る接着剤“導電性接着剤”を開発し,その信頼性について研究を行っています. この材料により電気製品が廃棄されても,土壌を有害物質で汚染することが防げます.この接着剤は,熱伝導にも優れるため, パワーデバイスなど高温動作用の接合材料としての適用が期待されています.ミクロ構造を再現した大規模シミュレーションモデルを用いて数値解析を行い, 導電性接着剤の構成方程式の導出し, 力学特性の観点から最適な材料設計を行います.



 
  Ag-エポキシ系導電性接着剤の内部組織



  シミュレーションによる力学挙動の再現

環境調和分野

リサイクルを容易にする分離可能な接合材料の開発 都市鉱山と呼ばれる廃棄した電気製品から効率的に電子部品や材料を回収する技術として, 可逆的インターコネクションという全く新しい概念を用い,製品廃棄時に接合部が熱や力を加えなくても分離する新しい技術を開発しています.この技術により貴重な金属材料を無駄なく回収することが可能となります.

研究室で開発した材料により接合された電子部品の分離の様子.加熱せず,低温保管することで,接合材料のみが粉々になり,部品と基板が分離する.